2007年04月03日

土蜘蛛戦争

3月下旬。以前から動きを見せていた土蜘蛛の連中を掃討してしまおうという大掛かりな戦争が計画された。


「ポジション事に別れて話し合うのか…。どうするかな。」

自分の能力を鑑み、また力を合わせる事を考え、しばし逡巡したあと、光也は【コマンダー】の集まる教室へと向かった。

―――的確な作戦を立てる事が出来たら…全員の力になれる―――
そう。彼がコマンダーを選んだのは、たった一人の己よりもより多くの他へと利する為だったのだ。

けっして、背後同士の「そういや、周りにコマンダーの子っていないよなー」などという会話で決められたわけでは、断じて、ない。


戦いの末
posted by 紅月 光也 at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月22日

蜘蛛依頼についてのトンデモ論

その日、俺は大食堂の片隅で珈琲を片手に考え事をしていた。

「姫様に母上様、それに女王か…一体何なんだろうな…」

完成したばかりの報告書の中からあの蜘蛛の妖獣に関するものだけをプリントし
それを眺めながら、蜘蛛から変化した怪しげな男のことを考えていたのだ。

「あれ、光也君。どうしたの?」

そこに現れたのはフレア・タカツキだった。
レイヤも含めた幼馴染だったんだけれど、中学の頃の俺は塾通いの毎日で会う事もほとんどなくなっていたから、銀誓館へ来て何年かぶりに再会したのだ。

「あぁ、ちょっと依頼の報告書を読んでてね…。聞いただろ?蜘蛛男の話」
「えぇ…蜘蛛の妖獣を助けようとしてたみたいですね。…何なのでしょうか。」
「そうだね。こいつらが何者なのかは…今は想像するしかないけどな。」

少し気になることだし、ブレスト代わりに色々話してみるかな…。


話の続き
posted by 紅月 光也 at 00:01| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

紅月家の裏事情

それは中学3年の冬のことだった。

もう受験まで後わずかしか時間は残されていない。
そんなある日、光也は両親から大事な話があると言って居間に呼ばれた。


「話ってなんですか。明日は最後の模試なんですけど」
「模試など受けなくてもいい。もう受験勉強などお前には必要ない」

座卓に視線を落としたまま目を合わせようともせず、父はそう言った。
光也は父の言葉の意味を理解できず、何度も頭の中で反芻した。

「…父さん。どういうことですか。」
「どうもこうもない。お前はこの高校へ入るんだ。いいな。」

そうして初めて見せられた銀誓館学園のパンフレット。
その時の光也には、学歴・立場・権威至上主義の両親が何故このような暴挙とも思える行動を取ったのか理解できずに居たのだが、そこはそれ。やはり彼の両親にはそれなりの思惑があったのだった。


その数日前の事
posted by 紅月 光也 at 21:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 【設定】追憶の物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月16日

ある日の手芸部〜3F廊下〜

――その夜、光也は廊下にいた。

まったく…。イベントのたびに俺の部屋(&その周辺)が巻き込まれるのは勘弁して欲しいんだけどな…(ため息)


その日は節分だったんだ。
手芸部のみんなで豆まきをする事になったのだが。
それは別に構わない、むしろ楽しいことは好きだ。

実際に俺は虎鉄さんを追いかけたり、東堂に挑んだり、といった具合に実に豆まきを楽しんでいた。


―――後の事など気にせずに―――


今、俺の部屋の前の廊下には実にマス1つ以上分の豆が散らばっている。
半分くらいは俺が虎鉄さんに向かって投げたもの。
残る半分は柳が虎鉄さんの服の中に流し込んだが、その虎鉄さんが服を脱ぐ事であたりに散らばったものだ。

食堂へ向かう途中で終了の合図を聞いた俺は部屋に戻って来たのだが…
目の前に広がる足の踏み場もないほどにちらばった豆に、これから行わなければならない事態を思いうなだれるしかなかった。

「片付けなきゃ部屋にも入れない…よな。」
気が進まないながらも、豆を拾い始めた俺の手元へ紙飛行機が飛んできたのはそのときだった。
不思議に思って俺が紙飛行機の飛んできた方向を見ても、もう誰もいなかった。

豆を拾う手を止めて紙飛行機を拾い上げると、そこにはなにか手紙のような文面が記されていた。


『豆拾いご苦労さん。これもよろしくなー。んじゃ!』


折られていた紙を開くと…そこには
『指定型学園生活バトン by夏優』 と、書かれていたのだった。


「天野ーっ!んじゃ、じゃなくて手伝えよな!」

鬼として逃げ回っていた天野をねぎらう気持ちの欠片もないセリフが夜の3F廊下にこだましたのだった……。

バトンを読む
posted by 紅月 光也 at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 寮つき手芸部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月25日

家族と兄と俺。

「―――明けまして、おめでとうございます。」

静かな部屋に響いた俺の声は、けれど父や母の心には届かない。
やはり、正月だからといって寮から帰ってきたのは間違いだったのだろうか。


「やぁ、おかえり光也。」
サッと障子を開いて兄が入ってくる。

「あ、兄さん。おめでとうございます。」
「相変わらずだね、光也は。コーヒー入れたから、おいで。」
そう言って、兄は正座していた俺の頭に手を乗せてくしゃりと撫でて出て行った。

この家で、唯一俺のことをきちんと見てくれる兄は、こんな風にいまだに俺のことを子ども扱いすることがある。9つも年が離れていれば当然といえば当然かもしれないが、そんな兄の余裕が憎らしくもあり、また誇らしくもあった。


「……帰ってこなくてもいい。」

部屋を出ようとした俺の背に呟くような声が届いた。
わかっていた事とはいえ、やはり胸に苦い物が走る。

「…それではご近所に奇異に映りますので年に一度は来ようと思います。」

背を向けたまま吐いた言葉は、自分でも驚くほどに無機質で他人行儀だった。
俺だって、こんな温かみに欠ける家に帰ってくるくらいなら、
寮でレイヤや天野などと過ごした方がよほど楽しいのは分かっている。

(だけど…世間の目を気にする貴方達に合わせてやっているんだよ。)

背後から更なる言葉が出ないのをいい事に、そのまま部屋を出た。


あの頃から…あの人たちは何も変わらない。
いや、まだあの頃のほうがある意味マシだったのかもしれないな…。


…2年前…
posted by 紅月 光也 at 21:30| Comment(1) | TrackBack(0) | 【設定】追憶の物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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